「謝罪の言葉なし」白鵬に問題児のレッテル、引退強硬論も

2015年01月30日 07時15分

 次は、引退勧告か――。横綱白鵬(29=宮城野)が審判批判を繰り広げた問題で、師匠の宮城野親方(57=元幕内竹葉山)が28日、日本相撲協会の北の湖理事長(61=元横綱)らに謝罪し、白鵬本人に注意を与えたことを明かした。同理事長は師匠への注意のみにとどめ、事態を収束させる構え。一方で、2日ぶりに報道陣の前に姿を見せた白鵬は無言を貫き、謝罪の言葉は口にしなかった。そんななか、角界内では早くも横綱の“再犯”の予測も。白鵬を引退させる強硬論まで飛び出した。

 白鵬が禁断の審判批判を繰り広げたのは26日。初場所千秋楽の一夜明け会見でのことだった。師匠の宮城野親方は27日に北の湖理事長と審判部長の伊勢ヶ浜親方(54=元横綱旭富士)に謝罪し、白鵬本人にも注意を与えたという。同親方は「昨日(27日)白鵬の家まで行って1時間ほど話をした。本人も反省していた。日本語の“アヤ”とか、ひと言が重いというのが分かっていない。そういう言い方をするつもりじゃなかったようだ。『すみませんでした』と言っていた」と明かした。

 北の湖理事長は「昨日、師匠から電話があった。いくら横綱といっても、師匠に監督責任がある。(白鵬に)厳重に注意するように言いました」と話す一方で、29日に開かれる理事会などでは「話題にはしません」と明言。師匠への注意のみでとどめ、事態を収束させる構えだ。ただ、これで完全な「一件落着」とは言いがたい。今回の一件で、審判部を中心とする親方衆の大半を敵に回してしまったからだ。

 これまでの白鵬はダメ押しや土俵上の所作など数々の行動が問題視されながらも、直接的な注意を受けた例はごくわずか。

 その背景には親方衆の配慮が少なからずあったからだ。かつて角界が野球賭博や八百長問題などで揺れるなか、白鵬は横綱として土俵を支えてきた経緯がある。だが、今回の一件で過去の“貯金”も事実上の帳消しに。元横綱朝青龍と同様に、完全に「問題児」のレッテルを貼られてしまったのだ。

 実際、ベテラン親方の一人は「国技をナメている。また同じような問題を起こすよ。間違いない」と断言。「本来なら理事会に本人を呼んで問いたださないとダメだ。本人に不服があれば、引退させればいいだけのこと」と主張した。白鵬が“再犯”を起こすようであれば、北の湖理事長もこうした強硬論を無視できなくなるはず。今回と同様の対応では、国技の権威が完全に失墜しかねないからだ。

 この日の白鵬は午後4時半ごろに宮城野部屋から外出。報道陣の問いかけには応じず、無言のまま迎えの車に乗り込んだ。果たして今後、相撲協会やファンに向けて謝罪の態度を示すことはあるのか。いずれにせよ、今回の一件で白鵬は親方衆から“イエローカード”を突きつけられた格好。白鵬自身が姿勢を改めない限り、次回は「レッドカード=引退」に追い込まれても、おかしくない状況となった。