昇進前から日馬に「短命横綱説」 

2012年09月06日 18時00分

 短命横綱に終わるのか――。大相撲秋場所(9日初日、両国国技館)で綱取りに挑戦する大関日馬富士(28=伊勢ヶ浜)に、早くも横綱昇進後の「不安説」がささやかれている。名古屋場所では圧倒的な力を見せつけて全勝優勝。新横綱誕生の期待が高まる一方で、審判部内では「横綱としてやっていくのは厳しい」との見方が広がっているのだ。いったいどういうことなのか。

 

 横綱審議委員会の鶴田卓彦委員長(85=元日本経済新聞社社長)は日馬富士について、「先場所のような勢いでいければ、十分にチャンスはあると思うよ。一人横綱を終わらせてほしい」と話した。先の名古屋場所では全勝優勝しているだけに期待が高まる一方、角界内では早くも「昇進後」の不安がささやかれているという。

 

 審判部の親方の一人は「(審判部内で)『あの体では横綱としてやっていくのは厳しい』と言われている。今と昔とでは力士の大きさが違う」。日本相撲協会が8月28日に発表した幕内力士の平均体重は161・3キロ。1953年の秋場所以降、初めて160キロの“大台”を突破した。日馬富士も前回計測の4月から5キロ増、自己最重量を1キロ更新する133キロを記録した。それでも、幕内では2番目の軽量だ。

 

 千代の富士のように120キロ台で「大横綱」となった例はあるが、力士の大型化が進む以前のこと。今の時代では安定した成績を残すのは至難の業というわけだ。実際、平成以降では130キロ台の軽量だった若乃花(三代目)は、わずか11場所で引退に追い込まれている。

 

 日馬富士自身も「僕は体も細いし人の何倍も力を出して、何倍も考えている。(好成績の翌場所は)疲れや気持ちが戻らないことがある」と話しており、弱点を自覚している。体重を増やす努力は続けているものの、さらなる増量に成功しなければ、仮に綱取りに成功しても短命に終わる不安がつきまとうことになりそうだ。