日本相撲協会の芝田山広報部長(58=元横綱大乃国)が16日、電話取材に応じた。

 大相撲秋場所(9月12日初日、東京・両国国技館)のチケットの一般発売が14日にスタート。芝田山部長は「(販売枚数は)今のところ順調に伸びているみたい」と話したが、不安材料がないわけではない。

 政府が東京都などに発出している緊急事態宣言の期限を今月31日から来月12日まで延長する方針で「延長になって観客を入れるかはこれからの問題だろうね。延ばすのはいいけど(政府や行政などが)何らかの方策をとらないとな…」と率直な感想を語った。現状は観客を上限約5000人で実施予定となっている。

 それでも、芝田山部長は昨年の7月場所以降「実績を積み上げてきている」と強調。その上で「協会員に感染者が出れば部屋の協会員を検査したり、部屋を封鎖したり、その場所は出場させなかったりといろんな手立てを取りながら感染者も最小限にとどめながらやってきている」と胸を張る。

 その一方、変異株の感染力は強く、全国規模で感染者数が増加傾向にある。協会は本場所2週間前から原則外出禁止など厳しいルールで感染対策を続けているが「医療機関もいっぱいになっていると聞くし、我々がますます外に出ないようにしないと」とポツリ。

 さらに、力士や親方らが感染するケースが後を絶たず「(専門家の)先生が気をつけてもどこで(ウイルスを)拾うか分からないと言っていましたね。常に手洗いと消毒とうがいをしっかりしないといけないということでしょう。あとマスクはしているんだけど顔の形もみんな違うし、鼻を押さえても空間はできるからね。この難局をどう乗り越えていくか…」と頭を悩ませていた。