日本相撲協会は20日、十両貴源治(24=常盤山)が大麻を使用したと発表した。

 大相撲名古屋場所14日目(17日)の昼ごろ、相撲協会に「『貴源治が大麻を使用しているのではないか』という噂話が力士らの間で交わされている」との情報が入った。

 千秋楽(18日)の取組後にコンプライアンス部長の尾車親方(元大関琴風)が師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)と貴源治から事情聴取。本人は事実を否定したものの、薬物検査には応じることに同意した。

 翌19日にコンプライアンス委員会の弁護士の立ち合いのもと、クリニックで薬物検査を実施したところ、大麻陽性の判定を受けた。この結果を受けて再び貴源治の事情聴取が行われ、本人は名古屋場所中に宿舎近くの路上で大麻タバコ1本を吸ったことを認めた。

 その後、相撲協会は警察に通報。貴源治は警視庁で事情聴取を受けた。貴源治は聴取後に帰宅を許され、現在は師匠の指示で謹慎している。相撲協会は今後、警察の捜査に協力しつつ、処分を行う予定。本人が大麻使用を認めていることから、厳罰は免れない状況となった。

 貴源治は名古屋場所に出場し、6勝9敗の成績を残していた。双子の兄は元十両貴ノ富士で、現在は格闘家のスダリオ剛(24)。元貴ノ富士は付け人に対する暴力行為などで2019年10月に力士を引退した。

 角界では2008年に若ノ鵬、露鵬、白露山が大麻の所持や使用で逮捕され、日本相撲協会から解雇処分を受けた。2009年には若麒麟が大麻所持で逮捕され、現役を引退した。