大相撲の横綱審議委員会の定例会合が19日、都内で開かれた。名古屋場所では横綱白鵬(36=宮城野)が全勝で7場所ぶり45回目の優勝を果たしたが、取り口やガッツポーズなどの振る舞いに対しては各委員から批判が相次いだ。

 白鵬は14日目(17日)には仕切り線から離れて俵付近で手をつく〝奇襲作戦〟を敢行。千秋楽(18日)の大関照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)との取組では張り手やエルボーまがいのカチ上げを繰り出し、勝負が決まった直後にはガッツポーズで雄たけびを上げていた。

 都倉俊一委員(作曲家)は「確かに全勝優勝は、戦績からいうと立派なもの。ただ、日本の国技でもある相撲はそれだけではないということを、どうやったらわかってもらえるだろうか。結局、相撲というのは何か。国技というのは何かということを、本当は親方、師匠が教えなければいけない」と苦言を呈した上で「(八角)理事長が白鵬を呼んで厳重注意をする」と明かした。

 山内昌之委員(歴史学者)は「14、15日目はもうあり得ない。ほとんど最低のレベルの相撲じゃないですか。横綱としては特に。私は名古屋場所、千秋楽を正面で見ていたのですが、終わった後のガッツポーズとか雄たけびとか鬼の表情とか。あれはなんだい。全然問題外でしょ。なにも語ることはないですよ。横審の全員が厳しい意見でしたよ。理事長からも厳しく、14、15の相撲について呼び出して注意するそうです」と厳しい言葉を並べていた。