勝ったのは大横綱だ。大相撲名古屋場所千秋楽(18日、愛知県体育館)、注目を集めた全勝同士の楽日決戦は、6場所連続休場明けの横綱白鵬(36=宮城野)が横綱昇進を確実にしている大関照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)を破り、7場所ぶり通算45度目の優勝を飾った。

 2012年名古屋場所の日馬富士VS白鵬以来、9年ぶりとなった無敗の千秋楽決戦。15日制が定着した1949年夏場所以降では6度目となる歴史的な大一番は、立ち合いで両者腰を下ろさずにらみ合った。
 
 先に照ノ富士が腰を下ろしたが、白鵬は〝間〟をとり続けた。呼吸が合って立つと、右の強烈なかち上げ。これまで何度も批判を浴びてきた〝エルボー弾〟を繰り出すと、張り手を連発。がっちり四つで受け止め、小手投げを連発して照ノ富士の巨体を土俵に転がした。
 
 執念をみせた白鵬は右腕でガッツポーズしながら雄たけび。土俵上で珍しく感情をあらわにした。

 6場所連続休場明けで進退のかかった場所で、次期横綱を相手に大横綱の貫禄を示した。「引退」の2文字を封印するとともに世代交代を許さなかった。