大相撲名古屋場所2日目(5日、愛知県体育館)、人気力士の十両炎鵬(26=宮城野)が脳震とうで不戦敗となった。

 十両貴源治(24=常盤山)の強烈な張り手や突っ張りを受けるも土俵際で粘り、両者もつれるように土俵の外へ。軍配は炎鵬に上がったが、物言いがついて協議の末に同体となった。その後、炎鵬の様子を確認した審判が再度協議を行い、高田川審判長(54=元関脇安芸乃島)は場内アナウンスで「炎鵬が脳震とうを起こしているため、貴源治との取組が取れないとみなし、貴源治の勝ちとします」と説明。炎鵬は車いすに乗せられて引き揚げた。

 高田川審判長は「もう一丁と思ったけど、見るからに脳震とうだったので、危険だと判断した。パッと見たら焦点が定まっていなかった」と振り返った。

 日本相撲協会は初場所後、審判規則を一部変更し「審判が力士の立ち合い成立前に相撲が取れる状態ではないと認めた場合、協議の上で当該力士を不戦敗とすることができる」との項目を追加していた。