大鵬に並ぶV32!白鵬の“THE横綱”な行動

2014年11月24日 16時00分

感動の涙を流した白鵬

 涙の裏では――。大相撲九州場所千秋楽(23日、福岡国際センター)、横綱白鵬(29=宮城野)が横綱鶴竜(29=井筒)を寄り切って32回目の優勝を達成。「角界の父」と慕ってきた大鵬の記録に並び、感激の涙を流した。さらなる記録更新も期待されているが、場所前には今後も引き続き“長期独裁”を予感させる行動を見せていた。

 

 念願のV32を達成した白鵬は「角界の父の偉大な記録に並んだ。この国の魂と相撲の神様が認めてくれたから、この結果がある」と胸を張った。表彰式前の「君が代」の斉唱では感激の涙を流したことからも、今回の記録に対する思い入れの深さがうかがえる。ただ、白鵬にとっては一つの通過点にすぎない。実際、場所前には偉業に挑むとは思えないマイペースぶりを見せていた。

 

 各力士が場所へ向けて本格的な調整を始める番付発表後も、福岡ライフを満喫。部屋の朝稽古を休んで、ゴルフに出かけた日もあった。稽古を一日休んだぐらいでは何の影響もないと言わんばかりに…。

 

 さらには夜の繁華街へ飲みに出かけたまま、朝方まで宿舎に戻らなかったこともあった。こうした行動の数々に、むしろ周囲のほうが「今場所の横綱は本当に大丈夫なのか」(関係者)と気をもんでいたほどだ。

 

 ところが、場所が始まると不安を一蹴。別人のように勝負にかける集中力を発揮し、白星を積み重ねた。それは休場明けの横綱日馬富士(30=伊勢ヶ浜)や、横綱として優勝がない鶴竜が、どこか悲壮感を漂わせながら場所に臨んでいたのとは対照的だった。

 

 今場所の白鵬は8日目に土俵下で幕内照ノ富士(22=伊勢ヶ浜)にダメ押しをして物議を醸した。本来なら批判されかねない行動でさえ、優勝という「結果」で封じ込めてしまう点でも、他の横綱の一枚も二枚も上をいっている。

 

 日本相撲協会の北の湖理事長(61=元横綱)は「(優勝)40回もいける。白鵬は取りこぼしをしないが、他の力士は分からない。来年も同じ。(他の)横綱が挑戦する気持ちで向かっていかないと」と指摘する。

 

 元横綱大鵬で故納谷幸喜氏の芳子夫人も「32回優勝という記録までくることは大変だったと思う。いろいろな力士に稽古をつけて強い力士をつくり、その強い相手を倒して記録を超えていってほしいと願っています。それが大鵬の願いでもあると思います」との談話を発表した。

 

 もはや大幅な記録更新は、確実な情勢となってきた。