白鵬V32王手!土俵外でも“一人横綱”状態

2014年11月23日 16時00分

白鵬は日馬富士(右)を送り出し“格”の違いを見せつけた

 大相撲九州場所14日目(22日、福岡国際センター)、横綱白鵬(29=宮城野)が横綱日馬富士(30=伊勢ヶ浜)を送り出して13勝目。優勝32回に王手をかけた。1差で追う横綱鶴竜(29=井筒)に千秋楽の直接対決で勝てば、大鵬の大記録に肩を並べる。「3横綱時代」となった今年も一人勝ちの状況は変わらない。土俵外でも他の2横綱を完全に“子供扱い”しており、来年以降もハイペースで優勝を重ねそうな雲行きだ。

 

 大鵬の優勝32回に王手をかけた白鵬は「まだまだ。千秋楽でいい相撲を取っていきたい」と翌日の鶴竜戦に向けて気を引き締めた。ただ、本割と決定戦で連敗するとは考えにくく、大記録の達成が濃厚となった。

 

 白鵬にとってV32はあくまで通過点。それどころか、はるか上を行く可能性もある。白鵬と他の2横綱との実力差が大きいだけではなく「上下関係」までもが固まってしまっているからだ。

 

 そのことを象徴する出来事もあった。九州場所前の10月29日。福岡市内のホテルで毎年恒例の「横綱会」が開かれた。日本相撲協会の北の湖理事長(61)、貴乃花親方(42)ら元横綱の親方衆に加え、現役の3横綱が出席。今年3月に横綱となった鶴竜が初参加のあいさつに立った際、次のようなシーンがあったという。

 

 鶴竜「初めてですけど、よろしくお願いします。横綱になってからまだ優勝していないので、できるように頑張ります」

 

 白鵬「頑張れよ!」

 

 親方衆が「頑張れ」と言うならともかく、仮にも2人は現役の横綱同士だ。本場所が11日後に迫るなか、本来であれば賜杯を争うライバルに向けて発するような言葉ではない。大横綱からの完全に「上から目線」のエールに鶴竜はただ黙っているしかなかった。

 

 日馬富士にしても同様だ。今年のある地方巡業でのこと。幕内力士の稽古が佳境を迎えるなか、白鵬が悠然と“大トリ”で登場した。すると、日馬富士は自ら白鵬のもとに歩み寄り「おはようございます」と言いながら深々と一礼。まるで、会社の社長に新入社員がおじぎでもするように…。白鵬は横目でチラリと見やり、軽くうなずいただけ。これは巡業に詰め掛けた大勢の観客が見守る中で起きたことだ。

 

 その場面を目撃した角界関係者は「まるで横綱と平幕。同じ横綱同士なのだから、もっと堂々としていればいいのに…」とポツリ。白鵬の横綱としての実力や実績に“引け目”を感じているようでは、もはや土俵に上がる前から負けているに等しい。「3横綱時代」とは名ばかりで、一人勝ち状態。いったいどこまで優勝回数を重ねるのか。