逸ノ城“雲隠れ”にライバル力士が戦々恐々

2014年11月04日 16時00分

出稽古を回避している逸ノ城。他の力士にとっては実に不気味な存在だ

 大相撲九州場所(9日初日、福岡国際センター)に臨む新関脇逸ノ城(21=湊)の“雲隠れ”が関取衆の間に波紋を広げている。帯状疱疹による調整の遅れから、場所前恒例の出稽古を封印。そのおかげで、他の関取衆は「怪物の現状」をつかめずじまい。情報収集に躍起になっているという。

 

 逸ノ城は3日、福岡・古賀市の部屋宿舎で稽古を行い、若い衆と50番相撲を取った。帯状疱疹による調整の遅れから、場所前恒例の出稽古は自粛。逸ノ城は「たぶん行かないと思います」と話し、ぶっつけ本番で九州場所に臨むことになった。この怪物の“雲隠れ”が、思わぬところに波紋を広げている。

 

 事情に詳しい角界関係者は「何人かの関取衆から『逸ノ城はどうなってるの?』と聞かれた。出稽古で確かめられないし、みんな本当の状態を知りたがっている」と明かす。力士にとって場所前の出稽古は自らの調整だけではなく、相手の状態を把握する貴重な機会。直接胸を合わせなくても、稽古相手をはじめ番数や内容は口コミなどで自然と広まっていく。

 

 ところが、今回は逸ノ城が部屋に引きこもっているため、なかなかナマの情報が漏れ伝わってこない。報道されている内容も三段目や序二段との稽古や、本人の弱気なコメントばかり。これでは参考材料にすらならない。ただでさえ、逸ノ城が帯状疱疹で秋巡業を途中休場した際には「かわいがり(厳しい稽古)が嫌なだけだろう」との“うがった見方”があった。

 

 ライバル力士たちが、なおさら逸ノ城の現状を確かめたくなるのも当然の流れ。出稽古回避は、結果的に周囲に不気味な印象を与えている。これも、怪物の実力が認められた証拠ということか。