大相撲九州場所(11月9日初日、福岡国際センター)に臨む新関脇逸ノ城(21=湊)が大誤算だ。29日の朝稽古で申し合いを再開。怪物は「しんどいっす。体もなまっている。入院する前と全然違って、反応も当たりも悪くなった。踏み込んで前に出てもすぐにいなされたり、ヒザが使えない」と弱音を吐いた。

 今月中旬に帯状疱疹を発症し、1週間入院した。この日の稽古で、調整の遅れが予想以上だったことが判明。当面は出稽古を取りやめる。逸ノ城は「あと1週間くらいやれば調子も戻ると思う」と話したが、当初の計画は完全に崩壊。湊親方(46=元幕内湊富士)は平幕力士を相手に徐々に調子を上げ、最終的には横綱の胸を借りるプランを描いていたからだ。

 出稽古は今週末から来週水曜日までがピーク。その後は軽めの稽古で体調を整える力士が大半だ。仮に出稽古できる状態に戻っても、相手を選べる状況にない。最悪の場合は“ぶっつけ本番”で場所に臨む可能性もある。湊親方も「この状態で出稽古に行ってもしようがない」と表情を曇らせるばかり。怪物が大ピンチだ。