大相撲の「第73回全日本力士選士権大会」が6日、東京・両国国技館で開かれた。


 幕内トーナメントで、秋場所で旋風を巻き起こした逸ノ城(21=湊)は1回戦で遠藤(23=追手風)と対戦。ザンバラ髪で新入幕を果たしたスピード出世同士の初対決はこの日一番の注目を集めたが、逸ノ城が一方的に寄り切って力の違いを見せつけた。


 勢いづいた逸ノ城は2回戦では勢(27=伊勢ノ海)に寄り切りで完勝。秋場所では幕内初黒星を喫した相手にリベンジを果たし「力が入りました。勝てて良かった。秋場所は投げて自滅? 絶対に投げにはいかないと思っていました」と納得の表情を浮かべた。

 その後は3回戦で千代鳳(21=九重)を破ったものの、準決勝で貴ノ岩(24=貴乃花)に寄り切られて敗退。「横綱(決勝戦で優勝した鶴竜)とやる前に負けちゃったんで仕方ないです」と少し残念そうだったが、秋場所で13勝を挙げて殊勲賞と敢闘賞をダブル受賞した実力の片鱗は十分に見せつけた。


 場所後はテレビ出演やイベントが続き疲労がたまっていたが、前日は14時間以上も睡眠を取って体力も回復。10日から始まる秋巡業へ向けて「一生懸命稽古して頑張りたい」と意欲を見せた。


 なお、幕内トーナメントは横綱鶴竜(29=井筒)が、十両トーナメントは富士東(27=玉ノ井)がそれぞれ制した。