大相撲夏場所13日目(21日、東京・両国国技館)、大関に復帰した照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)が幕内逸ノ城(28=湊)を寄り切って12勝目(1敗)。2場所連続4度目の優勝に王手をかけた取組後は「最期まで力を出し切って頑張りたい」と表情を引き締めた。

 両ヒザの故障や内臓疾患などに悩まされてきた照ノ富士には、励みになっていた映像があるという。「人間劇場ドキュメンタリー『土俵の青春』。ユーチューブで見つけた。片手がなくて、片手だけで相撲を取っている中学生のドキュメンタリー。一生懸命相撲を取っているのを見ると『自分も』という気持ちになる」

 競泳女子の池江璃花子(20=ルネサンス)が白血病による長期休養から復活を果たしたことも刺激となった。「ケガより病気のほうが怖い。ケガで死ぬことはないけど、病気で死ぬことはたくさんある。そういった意味で、病気の怖さというのは体で感じた。(五輪代表に入った池江は)相当な努力をしたんだなと思います」。体調面に不安を抱える自身と重なる部分があるようだ。

 大関復帰場所での優勝は昭和以降で初の快挙。次の名古屋場所(7月4日初日、愛知県体育館)での綱取り挑戦も決まる。自ら目標に掲げている番付の頂点も、今の強さなら時間の問題と言えそうだ。