大相撲秋場所6日目(19日、東京・両国国技館)、横綱鶴竜(29=井筒)が幕内宝富士(27=伊勢ヶ浜)を突き落としで下し、初日から6連勝。三役陣では横綱白鵬(29=宮城野)とともに全勝を守り、横綱初Vへ向けて「最後まで集中していきたい」と表情を引き締めた。


 今場所で横綱3場所目。新しい地位に慣れて生活が落ち着いてきたこともあり、鶴竜は近く引っ越しを計画しているという。現在の住まいは井筒部屋の近くの2DKのマンション。「今は寝室が一つしかないから、モンゴルから人(家族や知人)が来るとどうしても狭くて。その時は居間に布団を敷いたりしています」と、その驚くほどつましい生活ぶりを明かす。


 今後は横綱の地位にふさわしく、一念発起して豪邸暮らしをスタートさせる…というわけでもないようだ。鶴竜の口から出たのは「4LDK? いや、そこまで広くなくても。結婚して子供がいたりしたら別ですけど。タワーマンション? いや、それも…。ここ(井筒部屋)から近いところでいいです」と何とも控えめな言葉ばかり。


 実際、鶴竜は横綱昇進を機に場所入りの交通手段をタクシーから専用車に変更したが、選んだのは実用的な日本の国産車だった。白鵬や日馬富士(30=伊勢ヶ浜)が高級外車やタワーマンションなどの“セレブ生活”を満喫しているのとは対照的だ。あくまで自分は身の丈に合った生活ができればいい――。これが鶴竜の横綱としてのポリシーのようだ。