大相撲夏場所(9日初日、東京・両国国技館)を控えた7日、伊勢ヶ浜審判部長(60=元横綱旭富士)が電話取材に応じ、6場所連続休場の横綱白鵬(36=宮城野)に苦言を呈した。

 白鵬は春場所に出場しながらも右ヒザの状態が悪化して3日目から途中休場。その後、右ヒザを再手術し、名古屋場所(7月4日初日、愛知県体育館)で進退をかける意向を示している。しかし、6場所連続の休場は年6場所制となった1958年以降、横綱としては史上3番目の長さ(ワーストは稀勢の里の8場所連続)。

 こうした状況に伊勢ヶ浜部長は「ケガして痛くて出れないんだろうけども、こういう状態がずっと続いているのは結果として出ている。じゃあ、ここで横綱の責任を果たしているか、果たしていないかということになる。そういう意味ではこれだけ休んでいるわけだから、そこでどうかというのは、自分が横綱としてきちんと判断しないといけないこと」と厳しく指摘する。

 続けて「正直言ってここまで休まれると、期待というものもこれから先できない状態。これは当たり前のことで、誰もがそう思うこと」と言いきった。

 白鵬自身は術後のリハビリを経て再び土俵に立つ決意だが、伊勢ヶ浜部長は「早く治して出てほしいという気持ちもあるが、毎回同じこと言ってますから。ここまで来てしまうと、もう本人の問題。なので、白鵬がどうこうではなく、まず大関陣が頑張って横綱を目指して頑張ってほしい」と、出場力士〝最上位〟に奮起を促した。

 春場所後に開かれた横綱審議委員会の定例会合では、昨年11月場所後に決議した「注意」が継続となったが…。優勝44回の大横綱への風当たりは強まるばかりだ。