本当に大丈夫なのか。大関稀勢の里(28=田子ノ浦)が9日、東京・江東区の高田川部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古を欠席した。師匠の田子ノ浦親方(38=元幕内隆の鶴)は「今日は部屋で調整している。どこか悪い? そういうことはない」と説明。疲労の蓄積を考慮したとみられる。

 連合稽古は4日連続で行われ、この日が最終日。皆勤が義務ではないとはいえ、稀勢の里が欠席するのは異例のことだ。一門の看板力士不在の事態に、親方衆からは「4日も持たないとは、どういうことだ!」と不満の声が上がった。

 8日の連合稽古3日目から“異変”はあった。稀勢の里は動きに精彩を欠き、格下相手に苦戦。それでも一門の重鎮である尾車親方(57=元大関琴風)は「こんな日もある。明日(9日)ダメだったら心配だけど」と擁護していたが、この日は一転。「欠席? 知らない。来るものだと思っていたのに来なかった。疲れ? たった4日間ぐらいでね。しっかりやってくれないと」と渋い表情で苦言を呈した。

 この日は当初、横綱鶴竜(29=井筒)が出稽古に来る予定だっただけに、秋場所(14日初日、東京・両国国技館)へ向けて胸を借りる格好の機会だったが…。9日に稽古をしたとしても、初日まで残り4日間あれば疲労の回復は十分に可能なはず。期待の和製大関は、いったいどうしてしまったのか。