日本相撲協会は30日、来月7日に東京・両国国技館で土俵上の応急対応処置講習会を行うことを発表した。審判や警備担当の親方、医師、その他スタッフが参加する。

 三段目力士の響龍さん(本名・天野光稀さん、境川)が春場所13日目(3月26日)の取組で頭部を強打し、28日に急性呼吸不全で死去。初場所10日目(1月19日)には幕下湘南乃海(23=高田川)と幕下朝玉勢(27=高砂)の頭同士が激突して湘南乃海に脳振とうのような症状が見られるなど、土俵でのアクシデントが相次いでいた。

 この日、電話取材に応じた芝田山広報部長(58=元横綱大乃国)は「(講習会は)1月場所の湘南乃海のことがあって検討材料になり、来週やることは決まっていたが、響龍のことがあって発表できなかった。当日は土俵回りで仕事をしてくれる方を集めて、先生(医師)の話を聞きながら、どういった形で対処したらいいか講習される」と説明。

 医師は外部から招く。「どこまでどのように運んでなど。土俵下もあれば土俵上もある。詳細は立ち会う先生のレクチャーを受けるということ」。また、響龍さんが取組後、5分以上経過して救急搬送されたことには「即動かしていいかという状況判断もある。動かしていいかも分からない状況で、遅いとか早いとかではなく対処している」と付け加えた。

 激しくぶつかり合う競技だけにアクシデントの対処には柔軟性が求められる。