大横綱への影響は…。日本相撲協会に設置された「大相撲の継承発展を考える有識者会議」の会合が19日、東京・両国国技館で開かれ、山内昌之委員長(73=東大名誉教授)が八角理事長(57=元横綱北勝海)に最終報告書を提出した。同会議は角界内での元横綱日馬富士による傷害事件を契機に2019年に発足。外国出身力士に対する指導の在り方などが議論されてきた。

 今回の提言書の注目点は「一代年寄」に関する部分。「現在の協会の定款などにも根拠となる規定がない」「一代年寄の名乗りを認める根拠は見いだされない」などと、否定的な見解が示された。「一代年寄」は著しい実績を残した力士が現役時代のしこ名のまま親方になれるもの。優勝20回以上が目安とされ、過去に大鵬、北の湖、貴乃花の3人に授与されている。

 優勝44回の横綱白鵬(36=宮城野)はかつて一代年寄となることを希望していたが、相撲協会が提言を採用すれば、その道も閉ざされることになる。八角理事長は最終報告について「真摯に検討していきたい」と話したが…。果たして、どうなるか。