大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)を控えた19日、国技館の相撲教習所で合同稽古が行われた。大関朝乃山(27=高砂)は大関正代(29=時津風)との三番稽古で12勝3敗と圧倒した。

 朝乃山は新型コロナウイルスの影響で、しばらくは故郷の富山への帰省を自粛していたが、3月の春場所後に約1年ぶりに里帰り。大関に昇進してから初めて地元に〝凱旋〟を果たした。母校の富山商や呉羽中に足を運んだほか、高校時代の相撲部監督で4年前に死去した浦山英樹氏の実家を訪れて仏前で手を合わせた。

 朝乃山は「(浦山氏には)大関に昇進しましたということと、大関になってちょっとふがいない場所が続いていますので。また稽古に精進して頑張りますと。ケガをしないように見守っていてくださいと言いました」と明かした。

 夏場所は大関に復帰した照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)を加えた4大関となり、番付の頂点への争いは今まで以上に厳しさを増す。地元で決意を新たにした大関が、群雄割拠の場所で2度目の賜杯をつかみにいく。