日本相撲協会は31日、東京・両国国技館で大相撲夏場所(5月9日初日、国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、関脇照ノ富士(29、本名・ガントルガ・ガンエルネデ=伊勢ヶ浜)の大関昇進を正式に決定した。

 照ノ富士の兄弟子でもあった伊勢ヶ浜部屋付きの安治川親方(42=元関脇安美錦)は「(照ノ富士は)その日、その日をとにかく一生懸命やってるなと。自分の状態や相撲と真摯に向き合ってやっていたので、(心技体)すべてにおいて少しずつ成長していると思う」と語った。

 そんな照ノ富士は「上を目指す」と頂点に意欲を示しており、これには安治川親方も「期待していいんじゃないか。他の3人の大関よりは期待できる。稽古内容、やってることを間近で見ていて、次も狙えると思う」と太鼓判。時期については「先とか、そういうことではないと思う。勝負はすぐですね」と言いきった。

 一方、部屋のおかみさんの杉野森淳子夫人は、師匠の伊勢ヶ浜親方(60=元横綱旭富士)が引退を考えていた照ノ富士を説得する場面を何度も目にしたという。「親方が(自宅の)ソファーで5、6回。毎回1時間は説得していました。その姿がすごく印象的であのときは本当に今があると想像できなかった」

 それでも最終的に師匠の言葉を受け入れた照ノ富士は一時、序二段まで転落しながらも再び大関の地位に帰ってきた。おかみさんは「よく乗り越えてくれたと思います。本当に親方と大関が素晴らしい関係だったんじゃないですかね」とねぎらった。