日本相撲協会は31日、東京・両国国技館で大相撲夏場所(5月9日初日、国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、関脇照ノ富士(29=本名・ガントルガ・ガンエルネデ、伊勢ヶ浜)の大関昇進を正式に決定。使者の高島理事(63=元関脇高望山)と浅香山審判委員(48=元大関魁皇)が東京・江東区の伊勢ヶ浜部屋で照ノ富士と師匠の伊勢ヶ浜親方(60=元横綱旭富士)に大関昇進を伝えた。

 照ノ富士は「謹んでお受けいたします。本日は誠にありがとうございました」と口上を述べた。

 照ノ富士は2017年秋場所以来21場所ぶりの大関復帰で、序二段まで転落した力士が返り咲くのは初めて。今回は特例復帰(大関陥落直後の場所で10勝以上)ではないため、改めて理事会開催と伝達式が行われた。現行制度となった1969年名古屋場所以降、大関昇進の伝達式を2回経験したのは魁傑以来44年ぶり2人目。異例ずくめとなった。

 もちろん、照ノ富士が「昔から目標にしていたのは横綱という地位」と話しているように、今回の復帰も通過点にすぎない。大関が序二段転落後に横綱昇進を果たせば、史上初の快挙。どん底から這い上がった大関の新たな挑戦が、ここから始まる。