〝あの件〟が影響しているのか…。大相撲春場所6日目(19日、東京両国国技館)、大関正代(29=時津風)が幕内明生(25=立浪)に寄り切られて早くも4敗目(2勝)。土俵際で逆転を許し「納得いく立ち合いができていないですね」と力なく振り返った。

 これでまさかの3連敗。1敗でトップの大関朝乃山(27=高砂)や関脇照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)らとの差が大きく開いた。場所前の稽古で「感覚が合わないというのがある」と口にしながら迎えた本場所は「(体は)動いている」としつつも、不安を払拭しきれていなかった。

 土俵下の伊勢ヶ浜審判長(60=元横綱旭富士)は「いいときの攻めがなかなか出てこない。立ち合いの当たりや腹を出さないで出ていくいい相撲を取り続けていたんだけど、今場所はそれが出てないね」と指摘。結果の通り本調子とは程遠いわけだ。

 場所前は落ち着かない状況だった。元幕内時津海の前師匠(47)が、初場所中に麻雀店に通うなど再度の日本相撲協会が定める新型コロナウイルス対策のガイドライン違反を犯し、今場所前に退職した。部屋は時津風親方(36=元幕内土佐豊)が継承して新体制がスタートしていた。

 正代は「(師匠が代わっても)やり方が変わるわけではない。自分なりにやっていけたら」と語ったが、心理的な影響がないとは言い切れない。このまま黒星街道で来場所のカド番だけは避けたいところだ。