もはや「鬼門」ではない!? 大相撲名古屋場所(13日初日、愛知県体育館)の前売り券の売れ行きが好調だ。すでに15日間のうち3日間が完売(4日現在)しており、昨年の満員御礼7回を超えるのは確実だという。担当部長の千賀ノ浦親方(63=元関脇舛田山)は「昨年より3割5分増しで売れている。大入り8回は達成できる。10回出したい」と鼻息が荒い。

 かねて名古屋場所は観客動員で苦戦する傾向にあった。これに角界で相次いだ不祥事が追い打ちをかけ、八百長問題が勃発した2011年には大入り1回にまで落ち込んだ。今回の好調な売れ行きの背景には、昨年から本格化してきた相撲人気回復の流れがある。もちろん、大関稀勢の里(28=田子ノ浦)や幕内遠藤(23=追手風)ら日本人力士への期待の高まりも大きな要素の一つだ。

 一方で「大入り10回」を達成するためには、場所後半の平日の入りがカギを握る。ファンの興味を引く展開が必要だ。

 千賀ノ浦親方は「日本人の力士に頑張ってもらわないとイカン。稀勢の里は8戦全勝か悪くても7勝1敗で折り返すと違ってくる。遠藤あたりが6勝2敗くらいでUターンすれば、お客さんの数が増える」と期待を込めたが…。思惑通りにいくか。