大相撲3月場所(3月14日初日、東京両国国技館)で復帰を目指す横綱白鵬が25日、国技館の相撲教習所で行われた合同稽古に参加した。最終日となったこの日は幕内阿武咲(24=阿武松)と相撲を30番取って20勝10敗。立ち合いを試す場面もあり「組んで離れて、押して押させて」と充実の表情だった。

 押し相撲で鋭い攻めが持ち味の24歳を「骨があるというか勢いがある若手の一人」と表現した横綱は、土俵で精力的に汗を流した。相手の圧力で押し出されると思わず笑みを浮かべたが、このシーンについては「出るところで出なかったり、圧力かけるところで圧力かけられなかったり。そういう私の失敗でうまく反応したのが素晴らしいと。まあ、そこで苦笑い。自分に対してだけどね」と説明する。

 一方で「本人(阿武咲)にもいい稽古になったんじゃないかと。何て言ってた?」と、報道陣に〝逆質問〟。感謝していたことを伝えると「でしょうね(笑い)」と冗談を交えるほど上機嫌だった。

 合同稽古は2日間のみの参加だったが、24日は幕内若隆景(26=荒汐)と30番、この日も同じ番数の相撲を取るなど元気な姿を見せた。新型コロナに感染し、状態が戻らない不安を抱きつつも、白鵬は「稽古できるとは思わなかったんで。環境変えて雰囲気を味わったところで、体が自然と温まってるうちに数番やろうと。来てよかった」と振り返った。

 3月場所で復活優勝を目指す大横綱。ここまでは「上出来だと思う」と手応え十分だ。