大相撲の元幕内荒鷲(34=峰崎)が23日、東京・両国国技館で断髪式を行った。同じモンゴル出身の横綱鶴竜(35=陸奥)や同期入門の鳴戸親方(38=元大関琴欧洲)ら約330人の関係者が出席。最後は師匠の峰崎親方(64=元幕内三杉磯)が止めばさみを入れ、慣れ親しんだまげに別れを告げた。

 国技館で断髪式が開かれるのは昨年2月の押尾川親方(41=元関脇豪風)以来、約1年ぶり。それ以降は新型コロナウイルスの影響で安治川親方(42=元関脇安尾錦)や武隈親方(34=元大関豪栄道)ら多くの引退力士が断髪式の延期を余儀なくされている。荒鷲も当初の昨年5月から8か月以上延期して開催。この日は館内の扉が開放され、各所に消毒液が配置されるなど感染対策が徹底された。

 断髪式を無事に終えた荒鷲は「気持ちも、肩の力も抜けますね。(頭が)軽くなるし。これでやっと再出発ができた」と晴れやかな表情を見せていた。