稀勢2敗目 初場所強行出場してなければ…

2014年05月23日 16時00分

 大相撲夏場所12日目(22日、東京・両国国技館)、大関稀勢の里(27=田子ノ浦)が横綱白鵬(29=宮城野)に一方的に寄り切られて2敗に後退。取組後は無言を貫き悔しさをにじませた。悲願の初Vが厳しくなったばかりでなく、大目標の綱取りも大きく遠のいた。

 

 北の湖理事長(61=元横綱)が「13勝なら優勝に準ずる? それで横綱につながるとは思えない。やはり1月の負け(初場所7勝8敗)と先場所(春場所9勝6敗)が大きく響く。(名古屋場所で)全勝すれば分からないが、非常に厳しい」との見方を示したからだ。

 

 同理事長は、稀勢の里が昨年5月の夏場所(13勝)で優勝した白鵬と2差開いているにもかかわらず「優勝に準ずる成績」に認定。

 

 11月の九州場所(13勝)は優勝争いに絡んでいないにもかかわらず「両横綱を倒した」との理由で再び「準V」と認定した。“大甘”な判断を下してきたのは、和製横綱を誕生させたい思惑だけでなく、稀勢の里が安定して2桁白星を挙げていたからにほかならない。

 

 その好印象が崩れたのは、2度目の綱取りに挑んだ初場所だった。場所直前に右足親指を負傷。師匠の田子ノ浦親方(37=元幕内隆の鶴)の休場の勧めを振り切り、強行出場した(本紙既報)。場所中に患部を悪化させ、見かねた師匠が独断で千秋楽を休場させた。春場所も完治していない状態で臨むことになった。

 

 あくまで「結果論」とはいえ、初場所は治療に専念し、春場所に万全の状態で臨んでいたとしたら…。鶴竜(28=井筒)の綱取りを阻止し、自らの「横綱候補」としての信頼も失わずに済んだかもしれない。