立場一変 日馬3横綱時代で埋没危機

2014年05月13日 16時00分

ダメ押しで土俵下に落ちた碧山(右)が年配の男性客と接触

 横綱日馬富士(30=伊勢ヶ浜)が“埋没危機”に直面している。大相撲夏場所2日目(12日、東京・両国国技館)、幕内碧山(27=春日野)を寄り切って初白星を挙げた。初日は3横綱で唯一の黒星発進。この日は日馬富士の結び前に白鵬(29=宮城野)と鶴竜(28=井筒)が勝ち、絶対に負けられない状況だった。

 

 冷静さを欠いていたのか、最後はダメ押しで碧山が土俵下に転落。そのまま男性客とぶつかり、男性客が救急搬送されるなど、館内は一時騒然となった。取組後は「負けられない気持ち? 自分の相撲に集中するだけ。負けることを考えてやってられない」。一方で、北の湖理事長(60=元横綱)は「昨日負けているから必死。余裕を持った取り方じゃない」と指摘した。

 

 今場所から土俵は3横綱時代に突入。日馬富士が置かれた立場は一変した。すでに「大横綱」の領域に達している白鵬は別格として、単に横綱というだけでもてはやされる状況ではなくなったからだ。そんななか、場所前の日馬富士には明らかな“変化”があった。他の部屋の関取衆に、これまで以上に熱心にアドバイスを送る場面が目につくようになったのだ。

 

 4月25日の力士会では、自ら立ち上がって関取衆に「(巡業で)お客さんが来てくれているのだから、1番でも2番でもいいから土俵に上がろう」などと呼びかける異例の行動に出た。横綱としての真の自覚が芽生えてきたのか、それとも“危機感”の表れなのか…。当の日馬富士は「3横綱が刺激に? やってみないと分からない。3横綱時代は初めてなので」。ここから存在感を発揮できるか。