大相撲初場所10日目(19日、東京・両国国技館)、大関正代(29=時津風)は幕内遠藤(30=追手風)を破り、勝ち越しを決めてカド番を脱出。立ち合いから不利な体勢になり、その後は相手に粘られながらも突き落とした。

 取組後は物言いがついたが、軍配通り白星を手にすると「勝ったのかなとは思いました」と振り返りつつ「勝った8番の中で一番余裕はなかったかもしれないです」と安堵の表情を見せた。

 今場所は負け越せば大関から陥落する立場。「場所前から追い込まれていたというか、精神的に余裕がなかった」という。そんな重圧を感じながらも、しっかりと結果を残し「どの勝ち越しもうれしい。その中で表現しにくいけど、うれしいというよりホッとした。息苦しいものから解放された」と率直な感想を語った。

 2敗を守った正代は優勝争いトップの幕内大栄翔(27=追手風)を1差で追う。終盤戦へ「残り全部勝てるように。また集中し直して頑張っていかないといけないですね」と気合十分だ。