大相撲初場所9日目(18日、東京・両国国技館)、幕内宝富士(33=伊勢ヶ浜)が全勝の幕内大栄翔(27=追手風)をはたき込みで破って、5勝4敗と白星を先行させた。

 相手は役力士を総なめにして絶好調だったが、過去の対戦成績は宝富士が7勝6敗とリードし、最近は3連勝中。その数字は相撲内容にも表れた。

 立ち合いこそ強烈な突き押しを受けたが、うまく下からあてがって対抗。左の半身になって相手の力を分散させながら回り込み、最後は体をうまく開いて全勝力士に土をつけた。

 ここまで2大関を破り、負けた正代(29=時津風)との一番も土俵際で冷や汗をかかせるなど、ここまで存在感は見せていた。「昨日がふがいない相撲だったので、今日は集中していけたのがよかった。白星先行したのでここから」と殊勲の星にも冷静だった。大栄翔と合口がいいことについては「思い切り突っ張ってくるので、あてがって、いなしたりしようという気持ちでやっている。まずは押し負けない。今日は自分なりに踏み込めていた」と話した。

 昨年のこの日、母校・近大相撲部監督だった伊東勝人氏が55歳の若さで亡くなった。「1年は早いな。もうそんなになるのかなと。まだ生きている感じがする」と恩師の命日に思うところは多かった。学生時代に左四つを叩きこまれ「その時は苦しかったけど、今に生きている」と感謝する。「いい報告ができると思う」と締めた。