大相撲初場所3日目(12日、東京・両国国技館)、関脇御嶽海(28=出羽海)はカド番の大関朝乃山(26=高砂)を押し出しで破って、2勝1敗とした。

 直前の2番で正代(29=時津風)、貴景勝(24=常盤山)と大関が相次いで敗れた相撲を見ていたが、御嶽海は「とにかく自分の相撲を取る」と言い聞かせ、冷静に土俵に上がった。大事な立ち合い。脇を締めて朝乃山の右差しを完璧に封じると、抜群の圧力で一方的に押し出した。

 取組後、殊勲の関脇は「大関が迷った立ち合いをした。意識とかは特になかったけど、自分の相撲を取ろうと思った」。一時は大関最有力候補と言われながらも、貴景勝と朝乃山に先を越され、悔しい思いはあった。「プライド? それはありますよ。でも、それはずっと持っているので、今に始まったことではない」と本音を隠すことはない。

 昨年末に28歳の誕生日を迎え、今場所前のオンライン取材の場では「もう気づいたら28。ぐずぐずしていられない年になったので、しっかり目標を持ってやっていきたい」と3度目の優勝を足掛かりに、大関昇進への思いも語っていた。そんな中で2大関を撃破。「引く相撲を取らないように心掛けていきたい」と白星を積み重ねていくつもりだ。