稀勢に初場所強行出場のツケ

2014年04月21日 16時00分

稀勢の里は復活できるのか

 和製大関は復活できるのか。大関稀勢の里(27=田子ノ浦)が20日、茨城・笠間巡業で幕内千代鳳(21=九重)と9番取った。ここまで関東の春巡業では痛めている右足親指の影響で関取衆との稽古を回避。久しぶりに再開したこの日も「そんなに(劇的に)良くなるものじゃない。(状態と)相談しながらやっていく」と万全ではない様子をうかがわせた。

 

 初場所は2度目の綱取りに挑むも途中休場。続く春場所も9勝どまりと足踏みが続いている。そうこうしているうちに、同じ大関の地位にいたはずの鶴竜(28=井筒)が横綱に昇進…。本来なら横綱候補の最右翼だった男は、どこで道を踏み外してしまったのか。大きな「分岐点」となったのは初場所だった。

 

 稀勢の里が右足親指を痛めたのは初場所の直前。事情に詳しい関係者によると、師匠の田子ノ浦親方(37=元幕内隆の鶴)は初場所初日から休場させる考えだったという。同関係者は「師匠は休場させようとしたが、どうしても本人が『出る』と…。綱取りがかかっていたから無理をしてでも出たかったのだろう」。

 

 結果的に稀勢の里のケガは悪化。田子ノ浦親方が初場所千秋楽に独断で休場届を提出した背景には、こうした事情があったのだ。

 

 勝負の世界では「たられば」は禁物とはいえ、いまだに故障が完治しない現状を見れば、休場のタイミングが後手に回った点は否めない。強行出場の“代償”は大きかったと言えそうだ。