日本相撲協会の芝田山広報部長(58=元横綱大乃国)が25日、電話取材に応じ、〝世代交代〟の到来を予言した。

 新型コロナ禍に見舞われた一年。当初は不確定な要素が多く「2月は人との接触を避けないとダメだとか、コロナの状況が分からない中、まだ外出禁止令はなかったから、人との飲食も出かけてとかなったけども、大阪に行ってからはこれはまずいぞとなった」と振り返る。

 3月の春場所を無観客で開催後、5月の夏場所は中止。そして高田川部屋の三段目力士・勝武士さんが、新型コロナに感染して亡くなった。「若い命を失ってしまったというのが協会にとっても大きな痛手だった。病人を抱えているうちに、どうしていいか分からない、受け入れ先が見つからないというのがあった」

 また、出稽古が禁止となり「お相撲さんは稽古で接触するわけだから。こんな理不尽なことはないなという事態になった」と当時の心境を明かした。

 それでも、東京開催、観客の人数制限などさまざまな〝縛り〟がありながら、7月場所、秋場所、11月場所を成功させた。「場所中に協会員、お客さんからも一人の感染者も出さずに今年一年を終えたというのは大きな収穫。感染症の先生からも高い評価をいただけた」

 そして新年を迎えると初場所(来年1月10日初日、東京・両国国技館)では綱取り初挑戦の大関貴景勝(24=常盤山)、横綱審議委員会から「注意」を決議された白鵬(35=宮城野)と鶴竜(35=陸奥)の両横綱に注目が集まる。

「来年はいよいよ世代交代。11月場所で新大関正代(29=時津風)と(大関)朝乃山(26=高砂)が休んでしまったのが残念。初場所はカド番だから、またどういう展開になるか。両横綱は世代交代といわれる中で持ちこたえていくのか。非常に注目の場所になる」

 角界は来年もファンを楽しませてくれるに違いない。