大相撲春場所6日目(14日、大阪府立体育会館)、元大関の関脇琴欧洲(31=佐渡ヶ嶽)が関脇豪栄道(27=境川)に寄り切られて完敗。2日目から5連敗となり、9年ぶりとなる平幕への陥落が現実味を帯びてきた。取組後の琴欧洲は何を問われても無言。北の湖理事長(60=元横綱)は「力が落ちてきているとしか見えない」と厳しく指摘した。

 師匠の佐渡ヶ嶽親方(45=元関脇琴ノ若)は「最後まで出場? 今のところは。けがをしているわけではないので」と休場には否定的な一方で「琴欧洲の場合は気持ちの持ちよう。気持ちさえしっかり持ってくれれば…。自信を持って相撲をとってくれればいいのだが」と不振の理由に精神面を挙げた。

 琴欧洲の大関在位は史上4位となる47場所。丸8年にわたって地位を守り続けた。関脇に陥落して迎えた初場所も、10勝すれば大関に復帰できるという明確な「目標」があった。結果は8勝7敗で復帰はならなかったものの、勝ち越して関脇の地位に踏みとどまった。ただ今場所は10勝しても大関には戻れず、大きく負け越したとしても幕内の地位は保てる。このためモチベーションが低下しているようだ。

 実際、佐渡ヶ嶽親方は「今場所は目標を見つけづらい? それもあると思う」と否定はしなかった。かつて角界を席巻した元大関は、このままズルズルと番付を下げていってしまうのか。今場所の成績次第では「引退」の2文字もチラつき始める。