琴奨菊 家族の前で最後の〝琴バウアー〟披露「できることはすべて土俵に置いてきた」

2020年11月15日 16時31分

オンラインで引退会見を行った琴奨菊

 大相撲11月場所8日目(15日、東京・両国国技館)、元大関の十両琴奨菊(36=佐渡ヶ嶽)が引退と年寄「秀ノ山」の襲名を発表した。

 この日、オンラインで引退会見を行った琴奨菊は「なんとか頑張って土俵で結果を残そうと思ってやってきたけど、体がいうことをきかなかった」と話し、時に涙を浮かべながら、約19年の現役生活にピリオドを打った経緯を明かした。

 15年ぶりに十両へ転落した今場所は本来の相撲が取れず、5日目を終えた時点で1勝4敗。師匠の佐渡ヶ嶽親方(52=元関脇琴ノ若)に引退を考えていることを伝えると「一回ぶつかってみろ」と言われたという。部屋で四股を踏むなどしたが「(6日目の)朝起きたら体がいうことをきかず、勝っても負けても最後にしようと師匠に伝えました」

 最後は黒星ながら塩をまく前に〝琴バウアー〟を披露してファンを湧かせた琴奨菊は、祐未夫人と長男の弘人くんを国技館に呼び「できることはすべて土俵に置いてきたつもり。家族に報告して相撲が取れたことはよかった」と語った。

 ライバルとして挙げる荒磯親方(34=元横綱稀勢の里)への思いも口にした。「自分が力を試せる一番の相手で何も考えずにぶつかれたし、一門稽古で三番稽古を誰よりも熱くしたことが一番の思い出」。また、報道陣に「もしも土俵に上がるなら誰と対戦したいか」と問われると「それは横綱稀勢の里関です」と即答した。

 今後は佐渡ヶ嶽部屋付きの親方として後進を指導する立場になる。「力士は番付社会。壁にぶつかり、その壁の先を知らずに苦しむ子がたくさんいると思うけど、自分の経験からそこで勇気を与えて、その先の光景を見せられるような指導をしていきたい」。関取最年長で土俵に立ち続けた〝求道者〟が次のステージへ進む。

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