【11月場所】ネガティブ新大関・正代貫く〝腰高の呼吸〟 恩師指摘の弱点も「個性」に変えた!

2020年11月09日 11時00分

冷や汗ものの初日白星に、安どの表情の正代

 大相撲で新大関の正代(29=時津風)が独自のスタイルで大関初Vを目指す。11月場所初日(8日、東京・両国国技館)は幕内若隆景(25=荒汐)を突き落として白星発進。両横綱が2場所連続で不在となる異常事態の中で、新たな看板力士にかかる期待は大きい。新大関はネガティブな性格で知られる一方で、相撲に対しては〝オレ流〟を貫く。大学時代の恩師が明かす「ブレない一面」とは――。


 正代が大関デビューを白星で飾った。若隆景にもろ差しを許して土俵際まで寄られる絶体絶命のピンチから、捨て身の突き落としで逆転勝ち。「初日というのもあったし、新大関として最初の相撲。思うように体が動かなかった」とヒヤリとする一番を振り返り「あの相撲でもとりあえず勝つことができた。体が動くようになれば、もっと内容的にも良くなる」と2日目以降に視線を向けた。

 今場所は白鵬(35=宮城野)と鶴竜(35=陸奥)の両横綱が不在。複数横綱が2場所連続で初日から休場するのは史上初の異常事態だ。9月の秋場所で初優勝を果たし、新たに誕生した看板力士にかかる期待は大きい。その正代は大関の立場になっても、立ち合いで胸から当たる独自のスタイルを貫く構え。プロ入り前から守ってきた〝こだわり〟があるからだ。

 母校・東農大の安井和男総監督(62)が正代の「ブレない一面」を次のように明かす。「大学2年で(学生)横綱になったから、細かい点とかはあまり注意した覚えがない。1点だけ挙げるとすれば『腰が高いから拳1個分だけ下げたらどうだ。もっと強くなる』と言った。結局、直っていないというか、腰高のまんまだよね」

 恩師が指摘した課題は改善しないまま、教え子は大関の地位まで上り詰めた。今では欠点も正代の大事な〝個性〟と解釈。「自分のスタイルで頑張るということだと思う。これまでそうやってきたんだから、これからもね。(以前は)アゴが上がるとか、ボロクソ言われたこともあるけど、自分を貫いてきたということでいいんじゃないかな」とうなずいた。

 角界屈指のアニメ好きとしても知られる正代は劇場版が大ヒット中の人気アニメ「鬼滅の刃」に登場する「呼吸」に例えて「(自分は)腰高の呼吸。相撲の中では良くないですよね。(一般的には)やってはいけないことなので、みんなやらないだけだと思います」と語っている。

 安井総監督は新大関の正代に向けて「楽しみに見ています。勝ち負けじゃなくて、自分らしい相撲を取ってほしいということだね」とエールを送る。今場所も〝正代流〟を貫いて主役になれるか。