大相撲11月場所初日(東京・両国国技館)を翌日に控えた7日、日本相撲協会の事業部長を務める尾車親方(63=元大関琴風)が報道陣の電話取材に応じた。今場所は新型コロナウイルス禍で制限していた観客の上限を約2500人から国技館の定員の半分にあたる約5000人まで増やして開催。専門家による指導の下、これまでより観客同士の距離が近くなること以外は検温や消毒などの感染対策は引き続き徹底して行う。

 尾車親方は「(感染対策は)大きく変わることはないが、今までやってきたこと気を引き締めてやっていく」と話した。今場所は先場所に続き白鵬(35=宮城野)と鶴竜(35=陸奥)の両横綱が不在。2場所連続で複数の横綱が初日から休場するのは初めての異常事態となった。

 尾車親方は「(横綱は)進退を懸けて出てこないとだめ。(来年1月の初場所は)それくらいの気持ちを持って出てくることになるのでは」と厳しい目を向ける一方で、新大関の正代(29=時津風)、大関貴景勝(24=千賀ノ浦)、大関朝乃山(26=高砂)の今場所の奮闘に期待。「3大関で優勝争いをしてくれれば土俵が締まる。横綱を目指すチャンス。モノにする気持ちで走ってもらいたい」とハッパを掛けていた。