白鵬が場所前から見せた稀勢の里との「格の違い」

2014年01月30日 11時00分

白鵬が貫禄のVパレード。左は旗手を勤めたホープ遠藤

 大相撲初場所千秋楽(26日、東京・両国国技館)、横綱白鵬(28=宮城野)が大関鶴竜(28=井筒)を優勝決定戦で寄り切って、2場所ぶり28回目の優勝を果たした。場所前の話題こそ綱取りの大関稀勢の里(27=田子ノ浦)に「主役」の座を譲ったものの、終わってみればやはり最強であることを証明。実は場所前の行動でも、横綱は稀勢の里に“格の違い”を見せつけていた――。

 

 

 白鵬は本割りこそ1差で追う鶴竜に寄り倒されたものの、その後の決定戦では難なく相手を寄り切ってV28を達成。2場所ぶりに賜杯を抱いた横綱は「先場所は惜しくも優勝を逃しましたし、何が何でも賜杯が欲しかった。そういう意味でもうれしい」と喜びをかみしめた。かねて目標にしている大鵬に並ぶ優勝32回へ向けて、また一歩前進した格好だ。


 その白鵬が「勝者」ならば、今場所における最大の「敗者」は稀勢の里だろう。2度目の綱取りで注目を集め、場所前の話題をほぼ独占。ところが、いきなり初日に土がつくと、5日目には早くも2敗目。この時点で綱取りは事実上の失敗に。さらに、12日目に右足親指の靱帯を損傷した影響で千秋楽を休場。初の負け越しとなり、春場所(3月9日初日、大阪府立体育会館)はカド番で迎えることになった。


 故障による休場は仕方ないにせよ、序盤戦で格下に取りこぼす課題を克服できなかったのはいただけない。この点でも、白鵬との実力差は明白だ。さらに、場所前の両者の行動からも“格の違い”が見てとれる。


 今場所の新番付が発表されたのは昨年12月24日。これ以降は各力士が本格的な調整を行う時期にあたる。稀勢の里は元日以外は、ほぼ無休で稽古。年末年始のテレビ特番やイベント出演のオファーには目もくれず、歯を食いしばって稽古場で汗を流し続けていた。


 そのころの白鵬はというと――。12月下旬の某日には東京・銀座で芸能人を含む友人、知人ら100人近くを集めてポケットマネーでド派手な忘年会を主催。参加者が持ち寄ったプレゼントを交換するなど“セレブパーティー”で大いに盛り上がったという。


 また、看板力士として当然のようにテレビ特番に出演。さらに年末年始には4日間「家族旅行」で沖縄へ飛んだ。現地では後援者と合流して優雅にゴルフを満喫したという。


 もちろん、白鵬も場所前に相応の稽古を積んでから本番に臨んでいる。実際、年明けは二所ノ関一門の連合稽古に出向いて稀勢の里を圧倒している。ただ、白鵬が稽古の傍らでプライベートの時間をエンジョイする余裕を持ち合わせていることも事実。それが綱を張る者の「貫禄」ということだろう。その点で、稀勢の里とは「次元が違う」と言うしかない。


 北の湖理事長(60=元横綱)は「白鵬と大関との力はだいぶ開きがある」と指摘。白鵬の“独り勝ち”の構図が変わらないことが、改めて浮き彫りになった格好だ。