大相撲初場所千秋楽(26日、両国国技館)、大関鶴竜(28=井筒)は優勝決定戦で敗れ初Vを逃したものの、14勝1敗で自己最高成績をマーク。北の湖理事長(60=元横綱)は「14勝1敗は大きい。“優勝に準ずる”というより“優勝同点”と考えていい」と高く評価。次の春場所(3月9日初日、大阪府立体育会館)では綱取りになるとの認識を示し「いつも言っているが(綱取りの)優勝のラインは13勝以上。今まで2桁(白星)を割っているし、高いレベルで優勝しなくては」と目安を示した。

 綱取りの条件は平成以降に「2場所続優勝」の原則が厳格化された。一方で、昨年夏場所で大関稀勢の里(27=田子ノ浦)が初日から13連勝したことを機に和製横綱の待望論が盛り上がり、「準V」も事実上の優勝として解釈する流れとなった。

 ただ、今回は鶴竜が大関在位11場所のうち7場所で10勝未満であることを問題視する向きもある。最初に横綱昇進の可否を判断する審判部長の伊勢ヶ浜親方(53=元横綱旭富士)は、鶴竜が引き技での勝利が多いことを挙げて「ただ勝ったというだけでは駄目だ。今の状態ではノーコメントになってしまう」と話すにとどめた。

 春場所では勝ち星以上に内容で周囲を納得させる必要がありそうだ。