大相撲秋場所(東京・両国国技館)で大関朝乃山(26=高砂)が復調気配だ。7日目(19日)に幕内照強(25=伊勢ヶ浜)を押し出して4連勝。取組後は無言を貫いたが、2度目の賜杯へ逆襲ムードが漂ってきた。

 今場所は白鵬(35=宮城野)と鶴竜(35=陸奥)の両横綱が休場で、朝乃山はV候補の筆頭に挙がっていた。ところが初日から3連敗と出遅れる形となり、険しい表情が続いた。それでも何とか白星を積み重ね、藤島審判長(48=元大関武双山)は「だんだん朝乃山らしくなってきた」と評価。続けて「今場所は全勝がいないので、3敗くらいまではまだまだいけると思います」と〝大逆転V〟の可能性もあるとみている。

 7日目を終えて賜杯レースでは、トップは1敗の大関貴景勝(24=千賀ノ浦)、幕内琴勝峰(21=佐渡ヶ嶽)、幕内翔猿(28=追手風)の3人、2敗は関脇正代(28=時津風)、先場所Vの幕内照ノ富士(28=伊勢ヶ浜)ら9人のだんご状態となっており、後半戦で誰が後退してもおかしくない。藤島親方も「絶対的な存在がいないのでね。それだけみんなにチャンスがあるということ」と話すように、優勝争いは混沌としたままだ。

 厳しい立場に変わりはないが、まずは大関として賜杯争いに加わることが務め。このまま連勝街道を突っ走り、〝番付最上位〟の意地を見せられるか。