【秋場所】千代大龍が全勝・阿武咲を撃破!〝必殺技〟は封印し「左かち上げるいい相撲」

2020年09月18日 17時53分

「適性体重」で好調の千代大龍

 大相撲秋場所6日目(18日、東京・両国国技館)、幕内千代大龍(31=九重)が全勝の幕内阿武咲(24=阿武松)を押し出しで破り、5勝1敗で優勝争いのトップに並んだ。

 立ち合いは2度呼吸が合わなかったものの、前日に「もう今場所は左で当たって前に出る相撲しか取らない」と宣言していたとおり、勢いのある阿武咲にも強烈な左のかち上げ。相手の体勢が崩れたところを一気に押し出す速攻で白星を重ねた。

 取組後は「2回も待ったがあったら相手も(立ち合いを)ずらしてくるかとも思ったけど、左をかち上げるいい相撲が取れた。負けても人生が終わるわけじゃないので、自分らしい相撲を取るしかない」と開き直った様子で笑顔を見せた。

 もともと強烈な立ち合いからの攻めを武器としていたが、土俵際まで攻め込んでから引き技を繰り出す相撲も多く、一部ファンの間では、千代大龍の本名をもじって「明月院スペシャル」とも言われていた。だが、その〝必殺技〟も封印しつつある。「(過去に)どうやって横綱に勝ってきたのかを考えたとき、やっぱり当たって突き押ししかないなと。ガムシャラに突いて、突いての繰り返しです」と自分の持ち味に磨きをかけることを心に決めた。

 糖尿病や網膜剥離など、これまで体調面の不安は尽きなかった。そんな中で、7月場所はそれまで198キロあった体重を20キロ近く落とし、今場所前の健康診断では171キロ。「(相手への)圧力は190、200キロの時のほうがあった。でも、今は体の調子がいい。体重を落として稽古して、これがベストの体重だと思う」と適正体重にたどり着いた。

 全勝力士に土をつけ、自力でトップに並んだ。とはいえ「まだ6日目。これが11、12日目だったらうれしいけど、僕はここから平気で2~3連敗する力士ですからまだ安心できません。幕内で5番目くらいに早く勝ち越しを決められたらいい」と目標は控えめ。ようやく〝自分〟を見つけた31歳のベテランが混戦の今場所を盛り上げてくれそうだ。