大相撲秋場所4日目(16日、東京・両国国技館)、大関朝乃山(26=高砂)は幕内北勝富士(28=八角)を寄り倒しで下し、今場所ようやく初日が出た。

 優勝候補の一角と目されながらまさかの3連敗スタート。内容にも乏しく、敗れた後の表情も自信を喪失している様子がうかがえただけに心配の声も多かった。この日の取組も立ち合いからやや腰が高く、北勝富士の左のおっつけに苦戦。だがそこをしのいで右を差し、得意の左上手を引くと、一気に前へ。土俵際で粘られててこずったが、最後は強烈な左の押しで相手を土俵下まで吹っ飛ばした。

 1勝への執念を見せた大関だが、勝っても表情は変えずに冷静そのもの。取組後のリモート取材にも応じずに引き揚げた。一喜一憂しないという姿勢の表れとも言えそうだが、相撲内容は決して万全ではないだけに、まだ安心するのは早そうだ。