リミットが近づいているのか。大相撲秋場所(13日初日、東京・両国国技館)は、本紙既報通り白鵬(35=宮城野)と鶴竜(35=陸奥)の両横綱が休場する異例の事態となった。複数の横綱全員が初日から不在となるのは1983年夏場所の千代の富士、北の湖以来、37年ぶり。それぞれの師匠は厳しい見解を示した。

 白鵬の休場理由は「右膝蓋大腿靱帯損傷、関節内巨細胞腫」。8月13日に内視鏡手術を受け、宮城野親方(63=元幕内竹葉山)は「先生(医師)が言うには『よくこれで相撲を取れたね』と。不思議に思うくらい悪かったみたい」と振り返る。11月場所の復帰を目指すが「ギリギリ(相撲が)取れそうな感じ。やっと歩いたりできる程度で階段も上がっていけない状態ですから」と、全快には時間がかかりそうだ。

 また、鶴竜は右ヒジの故障が理由だが、陸奥親方(61=元大関霧島)は「ここまできたらもう進退懸けてやらなきゃいけないところまで来ている」と言及。続けて「休んでやることやって次の場所に取れれば本人も答えが出るんじゃないか」と、力士人生を懸ける覚悟を求めた。

 これで白鵬は直近6場所で2度優勝も休場は4回目、鶴竜は5回目。横綱の務めが果たせなければ、風当たりは強くなるばかり。外野の声を静めるためにも土俵で結果を残すしかない。