大相撲秋場所(13日初日、東京・両国国技館)で横綱白鵬(35=宮城野)の休場が濃厚となった。白鵬は7月場所で右ヒザを負傷。日本相撲協会に半月板損傷などで約2週間の加療を要する見込みとの診断書を提出し、13日目から途中休場した。関係者によると、白鵬は8月中旬に右ヒザを内視鏡手術。古傷を抱える左ヒザも同時に手術したという。

 現在は上半身のトレーニングを行う一方で、相撲を取る本格的な稽古を再開する見通しは立っておらず、今場所は休場する可能性が高い。かねて白鵬は東京五輪開催までの現役続行を公言。しかし、新型コロナウイルスの影響で五輪が来夏へ延期となり、白鵬は「モチベーションも1年延びた。頑張っていくしかない」と引き続き土俵に立つ意思を示していた。

 両ヒザの手術に踏み切った理由について関係者は「万全に近い状態で復帰するため」と説明。白鵬は先場所の休場の際に「今はただ一日も早く土俵に戻れるよう、新しいケガと自分の体に向き合い治療いたします」とコメントしていたが、来年まで現役を続けることを見据えて今回は手術と治療を優先したものとみられる。

 白鵬は今年3月の春場所で44回目の優勝を達成。仮に2場所連続休場となった場合でも、進退問題に直結するわけではない。ただ、手術明けの横綱がどこまで力を発揮できるかは未知数。回復具合を含めて、今後の動向に注目が集まることになりそうだ。