看板力士の貫禄を示せるか。大相撲秋場所(9月13日初日、東京・両国国技館)へ向けて、和製大関の2人が必勝を誓っている。

 先の7月場所は元大関で幕尻の照ノ富士(28=伊勢ヶ浜)が復活優勝。その一方で、朝乃山(26=高砂)と貴景勝(24=千賀ノ浦)の両大関は結果的に格下に賜杯をさらわれる格好となった。

 朝乃山は千秋楽まで優勝争いに加わり12勝3敗。新大関として最低限の務めは果たしたと言えるが、本人に満足感や達成感はない。「連敗(13、14日目)するのも自分の弱かったところ。(初優勝した)前頭と大関の地位で優勝するのは全然違う。収穫よりも反省のほうが多い。優勝したかったけど、そんなに甘くはなかった」と自らにダメ出し。「秋場所こそ優勝したい」と意気込んだ。

 貴景勝は左ヒザを負傷し、勝ち越してカド番脱出を決めた直後に途中休場。この1年は故障がちで低空飛行が続いている。「これからの相撲人生がある。あそこで出続けて大ケガをしたり悪化したら、治りも遅くなる」と休場の理由を説明。「地位が地位なので優勝しないと。(前回)優勝したのは小結の時だし。自分にハッパかけていかないといけない」と巻き返しに意欲を見せた。

 白鵬(35=宮城野)と鶴竜(35=陸奥)の両横綱が現役の晩年に差し掛かる一方で、足下では関脇御嶽海(27=出羽海)ら三役勢が大関候補に名乗りを上げている。世代交代の流れの中で、大関の地位に見合う結果を残したいところだ。