大相撲秋場所(9月13日初日、東京・両国国技館)に向けて、横綱鶴竜(35=陸奥)が出稽古解禁を改めて訴えた。日本相撲協会は新型コロナウイルスの感染防止策で力士の出稽古を禁止。調整不足の影響か、鶴竜は右ヒジを痛めて7月場所を途中休場した。自らが休場している間、他の力士たちの動きにも“異変”を感じていたという。

 鶴竜は「(出稽古禁止の影響は)あると思う。自分が休んで(他の力士を)見ている感じでは、いまひとつ迫力がなかった。動きが良くなかった」と主張。力士会の会長の立場からも「できれば出稽古を認めてほしい。場所前に関取衆と稽古をやっているのとやっていないのとでは感覚が全然違う」と力説した。

 ただ、現時点で相撲協会は解禁に否定的だ。芝田山広報部長(57=元横綱大乃国)は「(出稽古に行く力士は)PCR検査もしないといけない。行ったとしても、また帰ってきてからの検査で陽性が出た場合、相手方の部屋の力士も全員検査を受けないといけなくなる。非常に難しい」。秋場所も力士たちは“ぶっつけ本番”で臨む可能性が高そうだ。