夜の街騒動・阿炎は関取陥落必至 新婚ながら無給&監視の〝執行猶予〟生活

2020年08月07日 06時15分

首の皮一枚つながった阿炎だが…

 今後に待つ〝イバラの道〟とは――。日本相撲協会は大相撲7月場所中に接待を伴う「夜の店」で遊んでいたことが発覚した幕内阿炎(26=錣山)に対して「出場停止3場所」「5か月50%の報酬減額」の懲戒処分を下した。阿炎が提出した引退届は協会預かりとし、再び問題を起こせば受理するなどの条件付き。理事会では引退を求める意見も出た中で、首の皮一枚つながった格好だ。ただ、ここからの再起は簡単ではない。親方衆からは「付け人からやり直せ!」と屈辱の厳罰を求める声も上がっている。

 阿炎は7月場所中に接待を伴う「夜の店」で遊んでいたことが発覚。相撲協会が定めた新型コロナウイルス対策のガイドライン(不要不急の外出自粛)に違反したため、途中休場して自宅謹慎していた。しかも、当初は協会の事情聴取に対して、店通いの回数を実際の4回ではなく「2回」と過少申告。同席した元十両の幕下極心道(24=錦戸)にも口裏合わせでウソをつくように働きかけた。

 相撲協会のコンプライアンス委員会は、このような阿炎の行動を問題視。SNSでの「炎上騒動」や研修会での「舌禍騒動」などの〝前科〟があることから、答申の内容も阿炎が提出していた引退届を受理する前提での「出場停止2場所」の処分だった。理事会でも「引退届を受理すべき」との強行意見が出る中で、最終的には多数決で「即引退」だけは回避。かろうじて首がつながった。

 ただ、阿炎に対する〝恩情〟はここまで。理事会は「出場停止3場所」とした上で「5か月50%の報酬減額」を上乗せ。さらには引退届を協会預かりとし、新たに問題を起こした場合には程度を問わずに受理することを決定。そのことを了承する誓約書を提出し、出場停止と報酬減額が解けるまでの期間は東京・江東区の部屋に住居を移して生活することも命じられた。

 芝田山広報部長(57=元横綱大乃国)は異例の〝条件付きだらけ〟の処分について「(理事の間で)『また同じことを繰り返すぞ』という話もあった。(甘い処分では)各役員が不安な部分もあった」と説明した。実際、阿炎が本当に反省しているのかどうか測りかねる場面もあったという。

 理事会の席上に呼び出された阿炎は、謝罪の言葉もなく押し黙ったまま。理事からは「お前、まず入ってきたらひと言『申し訳ありません』とか『すいません』とか言えねえのか!」と怒声が飛んだという。芝田山部長は「そういうことができない子。なかなか大人になり切れない」と嘆いた。もちろん、師匠の錣山親方(57=元関脇寺尾)の責任も重い。師匠には「6か月20%の報酬減額」の処分が科せられた。

 阿炎は首の皮一枚で引退だけは免れた格好だが、この先に待っているのはイバラの道だ。出場停止が始まる9月場所の新番付は幕内下位となる見込み。次の11月場所では十両に下がり、年明けの1月場所では幕下まで転落する。幕内の月給140万円、十両の110万円が半減する上に、幕下以下になれば給料はゼロ。6月に3歳年下の一般女性と入籍したばかりの阿炎にとっては死活問題だ。

 さらに、親方衆の間には「付け人からやらせないとダメだ」との厳しい見方もある。錣山部屋では新十両の王輝(24)が誕生したばかり。三役経験者で敢闘賞2回の実力者が弟弟子の付け人を務めるのは屈辱かもしれないが、それぐらいやらなければ周囲も生まれ変わったとは見てくれないだろう。もちろん、今後はキャバクラなどに通うことなど、もってのほか。力士をやめない限りは〝執行猶予〟の生活が続くことになる。

 阿炎の処分を受けて、錣山親方は「寛大な処置でありがたい。私の監督責任。今回のことをしっかり反省してほしい」と話したが…。愛弟子がまっとうな力士になれる日は来るのだろうか。