大相撲7月場所で2度目の優勝を果たした幕内照ノ富士(28=伊勢ケ浜)が3日、東京・江東区の部屋でリモートによる会見を行った。両ヒザの故障や内臓疾患で大関から一時は序二段まで転落した。30場所ぶりの優勝は史上2番目のブランクV。大関経験者が関脇以下で優勝するのは昭和以降2人目で、序二段まで落ちた元大関では初の快挙となった。

 優勝を果たした千秋楽の夜は部屋の力士たちとシャンパンで祝杯を挙げたそうで「おいしかった。うれしいの一言」と改めて喜びをかみしめた。前回優勝した2015年夏場所との違いと問われると「以前はイケイケの時にしている優勝。〝オレができなければ、誰ができるの?〟という考えだった。今はそういう考えではない。自分のことを精一杯やっていれば、いい結果につながると思って過ごしている」と謙虚に話した。

 次の秋場所(9月13日初日、東京・両国国技館)へ向けて、早くも5日から稽古を再開する予定。角界では本場所後に1週間程度の休養を取ることが多く、異例の〝スピード始動〟と言える。照ノ富士は「水曜日(5日)から汗を流していこうと思っている。場所前から決めていたことなので。1週間の休みは自分の中では長い」と言い切った。