大相撲7月場所13日目(31日、東京・両国国技館)、1敗で並んだ大関朝乃山(26=高砂)と幕内照ノ富士(28=伊勢ヶ浜)の新旧大関対決は、照ノ富士が制してVレース単独トップに躍り出た。

 この日から2敗だった横綱白鵬(35=宮城野)が休場。優勝争いは2人に絞られた中で初顔合わせの大一番は、立ち合いから照ノ富士が左上手を取ると、右で抱え込みながらぐいぐい前に出る。朝乃山も必死に防戦するが、元大関は新大関を力強く寄り切った。

 取組後のテレビインタビューでは「あと2日あるので、頑張ります。先に上手を取って攻めることができて良かった」と充実の表情だ。

 かねて「大器」と期待されたモンゴル出身の逸材は、2015年5月場所で幕内優勝を果たし、大関昇進。前途洋々だったが、ヒザの故障が悪化。満足な相撲が取れなくなり、17年9月場所で大関から陥落した。その後は糖尿病もあって番付は下がる一方で、幕内→十両→幕下→三段目とダウンしていき、昨年の3月場所ではついに序二段にまで落ちていた。いつ引退してもおかしくない状況だったが、地道なトレーニングを続けてどん底から這い上がってきた。

 明日の14日目に照ノ富士が勝って朝乃山が敗れれば、15年夏場所以来2度目の優勝が決まる。

「一生懸命やってきて良かった。やってきたことを信じてやるだけ。とりあえず明日も頑張るだけです」

〝奇跡〟の復活Vはすぐそこだ。