大相撲7月場所11日目(29日、東京・両国国技館)、元大関の幕内琴奨菊(36=佐渡ヶ嶽)が幕内照強(25=伊勢ヶ浜)を寄り切って8勝目(3敗)。昨年3月の春場所以来、7場所ぶりの勝ち越しを決めた。

 優勝経験のあるベテラン力士は、2017年の初場所で負け越し。大関から陥落してからすでに3年半。番付は東前頭14枚目まで下がったが、健在ぶりを証明した。1年4か月ぶりの給金に「うれしいですし、自分の相撲が取れており、まだまだいけるというほうがうれしい」と表情を崩した。

 元横綱稀勢の里(34=現荒磯親方)、元関脇豊ノ島(37=現井筒親方)ら、しのぎを削ってきたライバルたちは土俵を去った。それでも「正直寂しい気持ちだが、対戦してきたことが自分に刻まれている。それが(自分の)強さだと思う」ときっぱり。技術面でもあくなき探求心を見せ「これからもチャレンジして固定概念をぶっ壊してながらやっていきたい」とまだまだ老け込むつもりはない。