大相撲7月場所9日目(27日、東京・両国国技館)、新大関の朝乃山(26=高砂)は小結隠岐の海(34=八角)を取り直しの末に下し、9連勝とした。

 集中力が切れることはなかった。最初の一番は土俵際で相手を転がしながらほぼ同時に倒れ込み、軍配は朝乃山に上がったが、物言いがついて協議の結果「同体」とみなされた。それでも、取り直しの一番では左上手を取り、豪快な上手投げで決着をつけた。

 文句なしの結果となり「(最初は)分からなかったけど、攻められている中で負けたかなと。また気を引き締めて相撲を取りました」と振り返った。「右(上手)が取れなくて焦った部分があったけど反射的にできた」と自己分析した上で「この勝ち方も大事。明日からまた引き締めて頑張りたい」と収穫があった様子だった。

 新大関の初日から9連勝は昭和以降歴代5位タイ。だが、好調を維持しつつも「連勝記録や勝ち星は意識していない」ときっぱり。自身の頭には「一日一番、自分の相撲を取りきることだけ」があるようだ。

 ここまで全勝の横綱白鵬(35=宮城野)とVレースを並走していることにも「意識はない」と気にするそぶりを見せない新大関は「富山県民の皆さんにいい相撲を見せたい」と地元にメッセージを送った。